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最近の選挙、今までと何か違うと思いませんか?
「この人を応援したい!」
「SNSで拡散しなきゃ!」
「街頭演説、現地で見てきた!まるでライブみたいだった!」
そんな声があちこちで聞こえるようになりました。
まるでアイドルを“推す”ように、候補者を熱烈に応援する光景──そう、「選挙の推し活化」が進んでいるのです。
「選挙×推し活」という新しい風景
この変化について、家族社会学者の山田昌弘さんはこう語っています。
「選挙は、推し活にとって格好の場なんです」
推し活とは、見返りを求めず誰かを応援する行為。相手が活躍すれば、自分も幸せになれる。その喜びは、まるで恋愛にも似た高揚感があるといいます。
かつての選挙は、業界団体や労働組合、地域社会の利益代表を選ぶ場でした。しかし、今の若者や「就職氷河期」世代のように、そうした集団に所属しない人々が増えた今、選挙は「誰を推すか」を競うイベントのようになりつつあります。
SNSが生んだ「第二のステージ」
現代の「推し活選挙」の背景には、SNSの存在があります。
テレビではあまり見ない候補者が、YouTubeやX(旧Twitter)、TikTokで一気に知名度を上げ、選挙で驚きの躍進を遂げる。
これはまさに、かつてのAKB48が、秋葉原の劇場からSNSを通じて全国区になった構図と重なります。
たとえば、2024年の都知事選で話題になった石丸伸二氏や、SNSの力で圧勝した斎藤元彦氏の選挙戦は、まさに「アイドルの総選挙」とも言えるものでした。
アイドル評論家の中森明夫さんは、この現象を「テレビがSNSに負けた」と分析しています。アイドル文化で15年前に起きたことが、今ようやく政治の世界にも波及しているというわけです。
「推し活」で政治を選んでいいのか?
ここで一つの疑問が湧きます。
「推し活のノリで政治を選んでいいの?」
中森氏はこう言います。
「芸能やアイドルの“推し活”で推すことの功罪を学び、それを政治に応用するべきだ」
アイドルの推し活には「依存」や「盲信」といった危うさもあります。だからこそ、政治という公共性の高い分野に持ち込むには、自覚的でなければならないのです。
組織票に依存する政治の限界
一方で、今の政治の現状を見ると、自民党・公明党の連立政権を支えているのは業界団体や宗教団体による「組織票」であることは明白です。
この組織票の存在が、選挙における“流動性”を奪い、「どうせ変わらない」という有権者のあきらめを助長しています。
また、組織の論理に依存した政治は、どうしても既得権益の保護に傾きがちで、未来のビジョンを描く力を失っています。これは、政党が有権者の心を動かす「推されるブランド」になれない最大の要因でもあるでしょう。
推し活的選挙が政治を変えるかもしれない
選挙は本来「まつりごと」、すなわち人々が参加し、祝祭として社会を形作る儀式でした。SNSと共感によって広がる「推し活的選挙」は、その原点を取り戻す動きとも言えます。
もちろん、熱狂が盲目的な信仰やポピュリズムに陥る危険もあります。しかし、それ以上に重要なのは、有権者が「自分の意志」で候補者を選び、「他人に言われたから」「組織に言われたから」ではない投票行動が増えることです。
それがひいては、いまの政治の劣化──組織票に依存する硬直した構造──を打破する鍵になると思います。
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